【AdGuard for Mac v2.12】「HTTP/3フィルタリング」機能を追加
AdGuard for Mac v2.12 のご紹介です!
今回のアップデートでは、ユーザーエクスペリエンスとプライバシーの向上に努めました。
※今回の AdGuard for Mac バージョン2.12以降、macOS High Sierra 10.13およびMojave 10.14のサポートを終了いたします。macOS 10.14以下をお使いの場合は、AdGuard の旧バージョンをダウンロードしてください。
AdGuard for Mac v2.12 には、大幅な改良が施されています。
以前の AdGuard for Mac では、HTTP/1とHTTP/2のトラフィックしかフィルタリングできませんでした。
v2.12では、CoreLibsを更新し、HTTP/3フィルタリングを有効にできるようになりました。
HTTP/3 (HTTP-over-QUIC)は、HTTPプロトコルの最新バージョンであり、TCPの代わりにQUICを使用します。
QUICプロトコルは、TCPトランスポートレイヤープロトコルよりも多くの利点があります。
TCPは、データパケットを送信された順番にしか処理できません。
チェーンの途中のパケットが失われた場合、失われたパケットがエンドポイントに到達し、最終的に処理されるまで、エンドポイントはそれに続くパケットを処理することができず、続くパケットは問題のパケットが処理されるまでずっと待機したままになってしまいます。
コンビニで例えるなら、レジにお客さんが並んでいるとして、精算中の人以外の人は待つ必要があります。そんな中、精算中の人がお金が足りないと言ってATMに駆け出したりなどしても、待機中の客は精算中の客が精算を完了するのを待たないといけません。
(これは、いわゆる「HoL (Head of Line) ブロッキング」問題です。)
しかし、QUICなら、リクエストが特定の順序で処理される必要がないため、この問題を解決でき、これはQUICの主な利点の一つであります。
したがって、QUICは不安定なWi-Fiやモバイルインターネットを使用している場合に良い対策となります。
TCP(「HoL (Head of Line) ブロッキング」問題あり)VS QUIC(「HoL (Head of Line) ブロッキング」問題なし)
QUICは、プライバシーとセキュリティを向上し、より安定した高速インターネット接続などを提供します。
AdGuard設定でHTTP/3フィルタリングを有効にすると、QUICプロトコルのすべてのメリットを利用できるだけでなく、広告やトラッカーもブロックできます!
この新機能により、ユーザーは邪魔されることなく高速インターネット接続を楽しむことができます。
※現在、HTTP/3フィルタリングは実験的な機能です。また、Chromeブラウザ固有のバグのため、この機能は現在Chromeでは壊れています。しかし、SafariとFirefoxでは問題なく動作するはずです。
【AdGuard for Mac でHTTP/3フィルタリングを有効にする方法】
ホーム画面右上の ⚙ アイコン→「アドバンスド設定」→「高度な設定」 → 「network.https.filter.http3.enabled」を有効にしてください。
また、このバージョンではWARPとの互換性の問題も修正し、Scriplets、CoreLibs、DnsLibsを更新しました。
このアップデートに関する完全な変更履歴はGitHubにあります。
いつものように、SNSやGitHubのissuesを通じてフィードバックもお待ちしております。