【AdGuardニュースまとめ】アドレスバーに広告, FB故障後でも自信満々のザッカーバーグ, アプリがまた端末上写真をスキャン
ごきげんいかがですか?今回のダイジェスト(ここ数週間の広告ブロック・個人情報保護関連ニュースまとめ)は、気分を高揚させるようなものではありませんが、重要なことを取り上げています。10月前半にはすでに多くの出来事がありましたが、おそらくこれからも大きな変化が待ち受けているでしょう。
1. マーク・ザッカーバーグ:批判されても恥ずかしがらず
Facebookの創業者兼CEOであるマーク・ザッカーバーグが、世界最大のソーシャルネットワークの現在と未来についてどのように意思決定を行い、それをどのように実行に移しているかについての不愉快な事実が、話題の「Facebook Files」から明らかになりました。
10月4日に発生した6時間に及ぶFacebookエコシステム全体の停止は、他のエコシステムにも影響を与え、しばらくの間、インターネット全体を混乱させることになりました。
その4日後にも別の障害が発生していましたが、FacebookのSNS運用チームは大したことでないかのように、それに対して10月4日の文章をそのままコピーペーストしていた:
しかし、マーク・ザッカーバーグは、絶対に何かをコピーペーストするような男ではありません。
彼は、成功、楽観、ポジティブシンキングといったアメリカの文化を表すのに適した人物です。
10月のクラッシュについての彼の投稿では、彼は「今、人々はFacebookを必要としていることに誰もが気づいています」と、興奮する理由を見つけたのです。
「このような障害が発生した場合、何人の人が他社のサービスに乗り換えたり、私たちがどれだけの損失を被ったりするかではなく、大切な人とのコミュニケーションやビジネスの運営、コミュニティの支援のために当社のサービスを利用している人々にとってどのような意味を持つのかということが、より深い関心事となります」と述べています。
企業が本当に大金を失い、人々が親しい人とつながることに神経を尖らせてまでして、Facebookの重要性を覚悟しないといけないのか...。
さらに、マーク・ザッカーバーグはその投稿の中で、「主張は意味をなさない」、「(「Facebookファイル」に関する)告発は虚偽である」、「Facebookは利益よりもユーザーの「安全、幸福、精神衛生」を重視している」 と述べています。
「有害なコンテンツとの戦いに関心がないのであれば、なぜこの分野で他のどの企業よりも多くの人材を私たち雇用しているのか」とザッカーバーグ氏は問いかけています。
広告主、コンテンツメーカー、規制当局が、有害コンテンツを嫌っているからではないでしょうか?
その問いかけの後、ザッカーバーグ氏はこのようなことを書いています:
「我々が利益のために人々を怒らせるようなコンテンツを意図的に押し出しているという議論は、深く非論理的です。私たちは広告でお金を稼いでいて、有害なコンテンツや怒りを誘うコンテンツの隣に自分の広告を表示されたくない、と広告主から一貫して言われています」。
うーん、色々あると思いますが、私たちはこの説明に納得していません。
文書や証言、調査、そして私たち自身のFacebookを使った経験がに対して...ザッカーバーグ氏からは言葉の返答しかありません。
ザッカーバーグの投稿の最後の一文には、「世界最高のソーシャル製品を作り続けるために我々が行っているすべてのことを誇りに思い、毎日ここで仕事をしてくれている皆さんに感謝しています」 とあります。
なるほど、“サイバー神様”(ザッカーバーグ)は、自分のメタバースを作る方法に何の疑いも持っていなく、自分は誇り高く、最高であり、正しく、躊躇しない者だ、と自分で確信しちゃってるようですね。
2.Appleはプライバシーとセキュリティのために良いことをしましたが、その恩恵を受けるかどうかはあなた次第
私たちはいつもAppleを批判しているように見えるかもしれませんが、実は私たちは公正な人間であり、セキュリティに関して何か良いことをした企業や人には、真っ先に敬意を表します。
Appleは最近、「App Store Review Guideline」を更新しました。
現在(まあ確実に言いますと2022年1月31日から)、ユーザーが以前にアプリ内でアカウントを作成できた場合、アプリ側はそのアプリ内でユーザーがアカウントを削除できるようにしなければならない。
まあ、実際には「アカウントの削除を開始する」となっているので、メールのリンクをクリックするとか、ユーザーが手間に疲れて途中で投げ出すことを期待して、アプリ開発者がユーザーにやらせる行為をしなければならないのでしょうが。
使わない機能には意味がありません。
放置されたアカウントは脅威です。
登録したことのあるところをすべて覚えるのは難しいですが、せめてアプリを削除する前に、アカウントも削除するようにしてください。
そうすることで、あなたの個人情報が保管されたり、販売されたり、流出したりするのを完全に防ぐことはできませんが、そうならない可能性を高めることができます。
3. The Internet Archiveからさらなるディストピアが
未来学とは、現在のトレンドを未来に外挿することです。
ブラックスワン、核戦争、宇宙人の上陸、突然のAIの自己認識など、想定外のことは考慮できません。
しかし、想定外のことを考えるのはとても楽しいことなので、人々はいずれにしてそれを考慮しちゃうのです。
Internet Archiveは、2001年のNYTと2011年のNYTを比較したり、削除されたり失われたりした記事を見つけることができるように、ウェブページのスナップショットを歴史の中でインデックス化して保存しているウェブサイトです。
このエンジンはWayback machineと呼ばれています。
そのチームはWayforward machine(つまりサイトの過去を保存するのではなく、逆に未来を予想しようとするエンジン)を作ることで25周年を祝いました。
Wayforward machineを使って未来の予想サイトを覗きました。
未来のWWWebは、過去と同じように醜いが、面白くも懐かしくもない。
ポップアップがいたるところにあり、すべてが非常にゆっくりと動く(これが意図されたものかどうかはわからないが)。
いくつかのサイト(そう、100年後もサイトというものは存在する)は、独占企業からの規制によって閉鎖されていた。また、著作権の制限や政治的な理由で利用できないサイトもある。アクセスするには、身分証明書、出生証明書、選挙の投票記録、その他6つの書類を提示しなければならない。
長い話を短くすると、インターネットは断片化され、ファイアウォール、ペイウォール、検閲され、国家や企業によって完全に所有・管理されることになる。
Internet Archiveは、情報アクセスの制限に抗議するか、あなたの代わりに抗議するためにお金を寄付してほしいと考えています。
しかし、ウェブが有害なものになっているのは、規制によるものだけではないことに気づかざるを得ない。
情報の氾濫と、情報をすべて吸収しなければならないという幻想も、同じように危険なものだ。
ニュース、クリップ、ツイート、Tiktok、ストーリー、コンピレーション、新番組エピソード、ポッドキャストなどの絶え間ない流れは、ドーパミンのトリガー、自分とは関係のないことに注意を促す誤報、FOMO、不安、押し付けられた欲望の津波に脳を溺れさせている。
制約が問題の根源ではなく、情報をコントロールできないことが問題なのです。
4. 中国アプリが中国風に動作することを、Appleのもう一つの新機能が暴露
中国の技術系インフルエンサーが、先月リリースされたiOS 15に搭載されたAppleの新機能「アプリのアクティビティを記録」を実行した結果、WeChatが起動していないときでも、1分ごとにバックグラウンドですべてのユーザーの新しい写真をスキャンしていることが判明しました。
アプリを製造しているTencent Holdings社の人々は、アプリの不正な動作に関する告発をすべて否定したが、一方でアプリがそのような動作をしないようにすることを約束した。
一方、テンセントのメッセージングアプリ「QQ」や、アリババ・グループ・ホールディングが運営するオンラインショッピング市場のトップ企業「タオバオ」も、携帯電話の写真を日常的に盗み見ていたことが明らかになっている(タオバオはなぜそんなことをするのだろうか?ビッグデータ関連か?)
この問題を見つけたインフルエンサーは、問題は写真がプライベートなものであり、第3者や第2者に見られることを意図していないことだけではないことに気付きました。
「スキャンはメモリと電力を消費し」、スキャンの頻度を考慮すればその消費量は大したものだろう。
結論から言いますと、お使いの端末上アプリの権限を賢く控えめに管理しましょう、という話です。
5. Google音声アシスタント:思った以上に聞いてしまう、思った以上に間違えてしまう、将来的にはもっと聞ききながらもっと間違えてしまう
Googleは、Pixelスマホの音声アシスタントに「クイックフレーズ」という新機能を徐々に展開しています。
ついに、コマンドを口にする前に「Hey Google」と言っていた無駄な労力を惜しむことができるようになるのです。
電話に出るか断るかは「Answer」や「Decline」、アラームやタイマーを止めるには「Stop」や「Snooze」など、短いコマンドを言えばいいのです。
便利ですよね。では、一体問題は何でしょうか?
以前、誤作動に関する研究をご紹介しましたが、音声アシスタントが自分に向けられたコマンドと勘違いしてしまう言葉やフレーズがあります。
音声アシスタントは、そのような言葉を認識すると、聞き取りを開始し、時には録音して分析してもらう目的で人に送ることもあります。そうやって送られたボイスサンプルは、音声認識技術の完成度を高めたり、メーカーがやりたいことを実現するために使われます。
ところで、3つの尊敬されている大学の何人かの人たちは、自分たちの環境からサーバーに音声をストリーミングしている音声アシスタントを検出するために、ネットワークトラフィックをスキャンするRaspberry Piベースのデバイスを昨年発表しました。
この装置は、従順なロボットが他人のためにあなたをスパイした場合、あなたに警告を発することになっている。
6. Mozillaが広告を表示できる新しい場所を見つけてくれた、嬉しい(※皮肉です)
20世紀のSF作家は、空や月に広告が表示されたり、人々の夢の中に広告が挿入されたり、日々の思考にテレパシーが流れたりすることを想像していました。
しかし、いろいろを考え出した彼らでも、検索候補に広告が表示されることは想像しなかったのです。
Mozilla Firefoxブラウザのアドレスバーに広告が表示されるようになります。
アドレスバーに何かを入力し始めると、補足された検索要求、すでに用意された検索結果からのリンク、またはいわゆる「スポンサー広告」系の提案(つまりAdMarketplaceエンジンを介して提供される広告)が提示されます。
これはオプトイン機能としてテストされていましたが、Firefox 93ではデフォルトで完全にオンになっているようです。
これは、心と精神への広告圧力をさらに増加させること意外に、何が悪いのでしょうか?
検索提案は歴史的にハイテク機能であり、検索会社は検索提案をスマートでパーソナライズされた便利なものにしようと競争し、ユーザーのために何らかの仕事をさせ、ユーザーが何を求めているかを推測し、ユーザーがそれを検索エンジンに説明する手間を省こうとしていた。
技術系企業が技術をまた新しい広告スペースと交換するのは悲しいことです。