【WWDC21】Apple、iOS 15でSafariのWeb拡張機能を追加予定
驚くべきことが起こりました。アップル社は予想に反して、SafariのWeb拡張機能(Web Extensions)をモバイル端末に搭載することになりました。
これは、6月7日のWWDC21※にAppleが発表しました。
今年の秋にリリースされるiOS 15とiPadOS 15から、iPhoneとiPadはWeb拡張機能を利用できるようになります。これまでは、Web拡張機能macOSのSafariでしか利用できませんでした。
※Appleが毎年開催する「Worldwide Developers Conference」 (アップル ワールドワイド デベロッパーズ カンファレンス、訳:世界開発者会議)
開発者にとってこれの意味は?
Mac、iPhone、iPadなど、すべてのAppleデバイスで動作するユニバーサルエクステンションの作成が可能になります!
この記事では、なぜこのようなことが重要なのかを説明します。
昨年6月、Appleは同様の方法でmacOSのSafariに「WebExtension API」のサポートを追加しました。
(おさらいすると、「アプリケーション・プログラミング・インターフェース(API)とは、複数のソフトウェア・アプリケーションや、ハードウェアとソフトウェアが混在した仲介者間の相互作用を定義するインターフェース」のことです。)
以前、私たちはこれに関するブログ記事を発表し、全体的に暗い状況を描いていました。
当時、WebExtension APIの登場は、macOS上のコンテンツブロッカーに何の価値ももたらさなかったので、少しがっかりもするニュースでした。
しかし、今回のiOSの場合、状況は劇的に異なっています。
このプラットフォームでは、拡張機能がまったくなかったのに、拡張機能が登場して、私たち開発者にとってはたくさんの可能性をもたらしてくれました。
このような変化は歓迎するばかりです。
ユーザーの皆様にとっての意味は?
このニュースが出て、私たちが最近公開していた記事は......無関係になるわけではありませんが、意味は変わります。
最近のYouTubeやSafariのコンテンツブロックの問題について書いた記事を覚えていますか?
一方で、そこに書かれているiOSユーザー問題が魔法のように消えることはなく、その記事に書かれていることはすべて有効です:宣言型アプローチ(Safari用広告ブロッカー開発に使えるものはSafari側によって限られていおり、ブロッカー開発者が自ら何かをコーディングして導入することが難しいという状況)にはまだ多くの未解決事項があります。
しかし公平に見て、Safariのバグトラッカーを見れば、Appleが現状を放置するつもりがないことがわかります。
例えば、Appleはすでにルールの上限を5万から15万に引き上げています。
また、Safariのブラウザ拡張機能がサポート開始されたことで、新たな可能性が生まれました。
なぜなら、ページ上で直接実行されるコンテンツスクリプトを使用することで、広告ブロックの宣言型アプローチが強化されるからです。
この埋め込みスクリプトにより、より高度なブロック方法に必要なロジックを私たちは実装することができます。
これらの方法は「AdGuard高度なブロック」という拡張機能で使用されているので、macOS用「AdGuard for Safari」ユーザーはすでによく知っていると思います。
ですから、もしあなたがiPhoneやiPadをお持ちで、いまだに広告ブロッカーを回避するウェブサイトや、ブラウザでYouTubeを見ているときにYouTubeの広告に遭遇することがあっても、心配しないでください!iOS 15ではすべてに対応します! 😊
広告ブロックに限らずもっと広く見ると、iPhoneやiPadのユーザーは、これまでmacOSのSafariでしか利用できなかった数多くの拡張機能をインストールできるようになります。
AdGuardやコンテンツブロッカーだけでなく、好きな拡張機能をインストールできるようになります。モバイルデバイスでのウェブ拡張機能の登場は、Safariブラウザの機能を拡張し、ユーザーにさまざまな新しい機会を提供します。
一言で言えば、iOSでWeb拡張機能が使えるようになることは2015年に導入された「Safari Content Blocking」と同等の革命的な変化であり、AdGuard for iOSの広告ブロック品質に非常に良い影響を与えるものと強く信じています。