iOS用AdGuardとAdGuard Proの機能概要|詳しい使い方
AdGuard/AdGuard Proの機能を徹底的に解説した記事を用意いたしました。
目次▼
■ その他の機能
私たちAdGuardは、あらゆるプラットフォーム用の10個前後の製品を出しております。それぞれの機能と違いをユーザーの皆さんによりよくご理解いただいて便利にご利用いただくため、少し前に「機能概要」という記事シリーズを始めました。
他のAdGuardアプリの概要記事(Windows版、Android版(英語)、Mac版、Safari版(英語))はすでに公開していますので、いよいよiOS版の分も公開する時が参りました。
iOS用AdGuardアプリはApp Store上2個あるので、まず、なぜそうなっているのかを説明したいと思います。
アプリ2つあるのに、概要記事は1つ?
当初、無料アプリと有料Pro版の2つのアプリを用意する方針でした。
しかし、ある時点でAppleは「App Store Reviewガイドライン」(アプリ審査の制約)を変更し、新しいエディションによって、重要な広告ブロック機能を失うことなく『AdGuard Pro』アプリを更新することができなくなりました。
当然、私たちはPro版の開発を凍結し、開発焦点を無料バージョンに切り替えました。目標は、新しい制約の下で可能な限りの機能を実装させることでした。
私たちはかなりの進歩を遂げ、無料アプリ『AdGuard』でプレミアムサブスクリプションの提供を開始しました。
AdGuardプレミアム版には、AdGuard Proアプリにはなかった機能も含まれていましたが、逆にAdGuard Proアプリにはあった機能の一部は欠けていました。
しばらくしてAppleがガイドラインを元に戻し、対応しないいけないことがたくさんありました。
特に、両アプリにお支払い済みのお客様がいることを考えて、2つのアプリのうちどれかを廃棄することはできませんでした。
そこで、両アプリを共にアップデートすることにしました。
結果として現在、『AdGuard』プレミアム版と『AdGuard Pro』は基本的に同機能であり、お好みの方を選んでご利用いただけます(つまり、広告ブロックには1つのアプリで十分ということです)。
さて、歴史レッスンが終わったところで、要点に移りたいと思います。実際にAdGuardとAdGuard Proでできること見ていきましょう。
Safariコンテンツブロック(「Safariでブロック」)
AdGuardのiOSアプリの基礎の1つは、Safariで広告と追跡をブロックするモジュールです。
Safariブラウザは、Appleが指定した広告ブロックAPI(広告ブロックアプリを構築するためのツールの一連)を使用できる唯一のブラウザ(アプリ)であるため、iOSにおいて一番効率よく広告等をブロックできます。
ということで、以下にSafariコンテンツブロックを個別に説明いたします。
アプリ初起動
まず、Safariコンテンツブロックを動作するには、6つのコンテンツブロッカーを有効にする必要があります。
その方法はこちら:
- iOSデバイスの設定を開く
- Safari→コンテンツブロッカー
- AdGuardのコンテンツブロッカーをすべてオンのしてAdGuardアプリに戻る
AdGuardコンテンツブロッカーを有効にする方法
一部のコンテンツブロッカーが無効になっている場合、AdGuardアプリのホーム画面に通知が表示されます。タップすると改めてこの手順をご確認いただけます。
そこで、「コンテンツブロッカー」という用語を使用していますが、具体的にはどういう意味でしょうか?
コンテンツブロッカー
実際、かなり単純です。コンテンツブロッカー自体は何も実行しませんが、広告と追跡のブロックという実際の仕事を行うフィルタリングルールを格納する“コンテナ”と想像してください。
なぜ6つもあるのか?
Appleは、1つのコンテンツブロッカーあたり50,000本のフィルタリングルールしか許可せず、いろんな種類に広告に対応するにはこの量は非常に小さいです。
6つのコンテンツブロッカーを導入することで、通常の6倍もの300,000本ルールが使えるようになります。
コンテンツブロッカーのステータスは、詳細設定のそれぞれの画面で確認できます(以下で説明します)。
コンテンツブロッカーのステータスと有効になっているフィルタを確認できます。
最高のフィルタリング品質を確保するために、すべてのコンテンツブロッカーを常に有効にしておくことを強くお勧めします。
Safariフィルタリングの仕組み:フィルタとルール
広告のブロックのプロセスは、過去のブログ記事で詳しく説明されています。
そこまで詳しく知りたくない場合は、以下に簡単にまとめました。
Safariコンテンツブロックの仕組み
広告ブロッカーの作業は、フィルター(フィルターリストとも呼ばれます)に基づいています。
各フィルタは、フィルタリングルールのリストです。オンラインでブラウジングすると、広告ブロッカーはアクセスしたページとその要素をこれらのフィルタリングルールと比較して常にチェックし、一致するものはブロックします。
ルールは追跡ソフトと広告をブロックし、ビデオやテキストなどの“正当な”コンテンツには青信号を出すように構築されます。Safariコンテンツブロックも同じように機能します。
フィルタ
AdGuardアプリ内で
設定 → Safariでブロック → フィルタ
へ進むと、いろんなフィルタカテゴリが表示されます(※コンテンツブロッカーと混同しないように)。
それぞれのフィルターカテゴリをタップして、アクティブなフィルターを表示したり、個別に管理したりできます。
広告ブロック、プライバシー、SNSウィジェット、迷惑要素、セキュリティなどのカテゴリがあり、それぞれがカテゴリ名通りの目的に役立つ複数のフィルターを結合しています。
それぞれを確認し、フィルターの説明を読み、自分がブロックしたいとしたくないものに合わせてそれなりのフィルタを見つけてオン・オフにすることによりいろんな風にカスタマイズできます。
私たちのタグシステムによるタグも参考にしてください。
独自のカテゴリの1つがカスタムフィルターです。
デフォルトでは空ですが、URL一本で任意のフィルターリストをなんでも簡単に追加できます(もちろん複数も追加可能)。
インターネット上で見つけた効果的なフィルタなどを追加できます(または、ご自身で独自作成することも可能です)。
ユーザールール
ご自身の独自フィルタリングルールです。
新しいフィルタリストまるごとを追加せずに、Safariフィルタリングをチョコッとカスタマイズしたりできます。
「ユーザールール」セクションはSafariでブロック画面にあります。
Safariフィルタリングをさらにカスタマイズできる「ユーザールール」
手動で入力するか、Safari内アクション拡張の手動ブロックツール(アシスタント)を使用して、個別のルールを追加できます。
ホワイトリスト
「Safariでブロック」画面からもアクセスできる「ホワイトリスト」を使用すると、特定のドメインをフィルタリング対象外に設定できます。
お気に入りのウェブサイトをサポートするようにそこで広告のブロックを無効にしたい場合など、ドメイン名をホワイトリストに追加するだけで十分です。
下部にあるエクスポート / インポートボタンを使用して、リスト全体を管理できます(デバイス間でホワイトリストを転送するなど)。
Safariアシスタント
アシスタントは、AdGuardアプリに切り替えずに直接Safari内からフィルタリングを管理するのに役立つツールです。
Safariを開く→ボックス内の矢印記号をタップし→AdGuard / AdGuard Pro(ご利用中のアプリによります)をタップ
という形でアシスタントメニューが開かれます。
アシスタントの起動方法
アシスタントは、一番よく使用されるオプションへの迅速なアクセスを提供します。
- 「このページで有効にする」
スイッチをオフにすると、現在Safariで開いているドメインが自動的にホワイトリストに追加されます(オンにすると、ホワイトリストから削除され再びフィルタリングされるようになります)。 - 「このページで要素をブロック」
これは、見落とされた広告、残ってしまった空白や単に個人的に非表示にしたい要素を手動でブロックできる、アシスタントのイチオシ機能です。- タップして「開始」を押すと、要素の手動ブロックモードに入ります。
- ページ上でブロックしたい要素を選択すると、メニューが表示されます。
- 「+」または「ー」をタップして選択枠のサイズを調整
- 必要に応じて要素の除去後プレビュー(「👁」アイコン)を確認してから
- チェックマークアイコンをタップして確定します。
要素手動ブロック中のメニュー
選択した要素がページから非表示になり、該当するルールがユーザールールに追加されます。そのルールをオフまたは削除することで、要素ブロックを解除することができます。
- 「このページに関する問題・バグを報告する」
数タップでサポートチームにレポートを送信できるWebレポートツールを開きます。広告の見落としやページの不適切なブロックに気付いた場合にご利用ください。
AdGuard/AdGuard ProのSafariコンテンツブロックに関しては以上です。
では、2つ目の主要モジュールのDNS経由保護について説明したいと思います。
DNS経由保護(「DNS通信を保護」)
DNS保護モジュールは、DNSトラフィックを暗号化することでプライバシーを強化します。
Safariコンテンツブロックとは異なり、DNS保護はデバイス全体で機能します。
つまり、DNSは広告ブロッカーアプリにとってSafari外であらゆるものをフィルタリングする唯一の方法です。
このモジュールを使用する前に、ホーム画面または[設定]→[DNS通信を保護]からオンにする必要があります。
DNS設定を管理できるようにするには、AdGuardアプリでローカルVPNを確立する必要があります。リモートサーバーを経由してトラフィックをルーティングすることはありませんので、個人情報は完全に安全です。技術的には一応VPNであるため、システムはアクセス許可の確認を求めてきます。
DNSサーバー
DNS通信を保護画面の一番上に表示されるオプションは「DNSサーバー」です。
現在選択されているDNSサーバーと暗号化タイプが表示されます。
どちらか(または両方)を変更するには、ボタンをタップしてDNSサーバー画面へ移動してください。
ニーズに一番合うDNSサーバーを選べます。
サーバーは、速度、採用されているプロトコル、信頼性、ロギングポリシーなどによって異なります。
デフォルトでは、AdGuardは最も人気のあるサーバー(AdGuard DNSを含む)をいくつかを推奨しています。
いずれかをタップして、暗号化タイプを変更するか(サーバーの所有者によって選択が提供されている場合)、サーバーのホームページを確認したりできます。
「ロギングポリシーなし」、「広告ブロック」、「セキュリティ」などのタグを追加して、選びやすくしています。
さらに、画面の下部にカスタムDNSサーバーを追加するオプションもあります。通常のDNSCrypt、DNS-over-HTTPSおよびDNS-over-TLSサーバーをサポートしています。
ネットワーク設定
ネットワーク設定画面ではDNS保護の他の設定を管理できます。
DNS保護のさらなる設定
モバイルデータのフィルターとWi-Fiのフィルターは、それぞれのネットワークタイプに対するDNSフィルタリングを有効・無効にします。
さらに、下のWi-Fiの除外では、特定のWi-FiネットワークをDNS保護から除外できます(たとえば、AdGuard Homeを家庭ネットワークで設定していてiOSアプリによるDNSフィルタリングが必要ない場合など)。
DNSフィルタリング
まず、DNSフィルタリングをご利用いただくには、以下の手順でその表示をオンにする必要があります。
① 設定(⚙アイコン)⇨一般設定⇨高度な設定モード⇨オン
で高度な設定モードをオンにしていただくと、
② DNS通信を保護⇨DNSフィルタリング
が現れます。
DNSフィルタリングの管理画面
DNSフィルタ
Safariで機能するフィルターと同様に、DNSフィルターとは特別な構文に従って記述された一連のルールです。
AdGuardはDNSトラフィックを監視し、1つ以上のルールに一致するリクエストをブロックします。
AdGuard DNSフィルターなどのフィルターを使用するか、hostsファイルをフィルターとして追加できます。
徹底的な追加方法は、ナレッジベースにありますが、現在英語であるため、下に日本語で方法を記載いたします。
【DNSフィルタの追加方法】
① (まだオンになっていない場合)設定(⚙アイコン)→一般設定⇨高度な設定モード→オン
② DNS通信を保護→DNSフィルタリング→DNSフィルタ
③フィルタを追加する→追加したいDNSフィルタやhostsファイルのURLリンクを入力する/貼り付ける
ホワイトリスト・ブラックリスト
DNSフィルターに加えて、単一ドメインをブロックリストまたはホワイトリストに追加することにより、DNSフィルタリングをカスタマイズすることができます。
ブロックリストはDNS構文もサポートし、ホワイトリスト・ブラックリストの両方はまるごとインポートおよびエクスポートできます。
アクティビティ
アクティビティ画面はAdGuardのDNS経由保護に関する情報ハブです。
アプリ内の下のバーの左から3つ目のアイコンをタップすることで開けます。
すべてのDNS統計はここで確認できます。
ここで、AdGuardは、デバイスのDNSリクエストに関する統計(合計数、暗号化されたリクエスト数、平均処理時間など)を表示します。 1日、1週間、1ヶ月、または全期間の統計を表示可能です。
以下は最近のアクティビティフィードです。AdGuardは、デバイスで処理された最終1500本のDNSリクエストを保存し、プロトコルタイプやターゲットドメインなどの属性を表示します。
AdGuardはこの情報をどこかに転送することなどは一切ありません。100%ローカルで扱いされる情報であり、あなたのiOS端末外へ行くことはありません。
リクエストをタップすると、その詳細が表示されます。また、リクエストをブロックリスト/ホワイトリストにワンタップで追加するボタンもあります。
一つ一つのDNSリクエストに関する詳細情報
アクティビティフィードの上に、タップできる[最もアクティブな企業]表示があります。最終1500件のリクエストに関する集計データと、どの企業が最も多くのリクエストを送信しているのかが表示されます。
統計
アクティビティ画面のほかに、ホーム画面とウィジェットにもグローバル統計が表示されます。
おすすめのDNS設定
ここで、アプリ内広告や個人情報追跡をできる限りブロックするための「DNS通信を保護」のおすすめ設定を紹介します。
①「DNS通信を保護」画面に移動、スイッチをオンに
②【DNSサーバー】AdGuard DNSを選択
③(※設定(⚙アイコン)→一般設定→高度な設定モード→オンになっている必要があります。)
【DNSフィルタリング→DNSフィルタ】AdGuard DNSフィルタのリンク(https://adguardteam.github.io/AdGuardSDNSFilter/Filters/filter.txt)を貼り付けて追加してください。
加えて280blockerさんのDNSフィルタを追加することもおすすめです。
他に効果的なDNSフィルタをご存知でしたら、上記に加えて追加して結構です。
これがほとんどの広告等をカバーする基本のDNS設定になります。この設定をもとに、ホワイトリスト・ブラックリストやネットワーク設定を使ったり、他のDNSフィルタを追加したり、他のDNSサーバー選択などでさらにご自身に合わせてのカスタマイズも可能です。
その他の機能
SafariコンテンツブロックとDNS経由保護は間違いなくAdGuard/AdGuard Proの2つの主要なモジュールですが、知っておくと便利なマイナーな機能もございます。
- ダークテーマ
ライトとダークのUIカラーテーマ
アプリ内「設定」→「一般設定」の一番上で切り替えます。
- ウィジェット
通知センターで表示できるAdGuardウィジェット
AdGuardは、iOS通知センターのウィジェットをサポートし、SafariコンテンツブロックおよびDNS保護のスイッチとリクエストの総合統計があります。
- ホワイトリストを逆転する
Safariフィルタリングの代替モードで、通常動作とは逆に、ホワイトリストにあるWebサイトのみでフィルタリングを行います。もちろん、デフォルトではこの機能はオフになっています。
- 統計をリセットする
リクエスト数などの統計情報をすべて初期化します。
- 高度な設定モード
DNSフィルタリングのロックを解除する以外に、詳細設定へのアクセスを許可します。サポートに相談した場合やこの設定を理解できる場合以外は、これらの設定をいじることはお勧めしません。
- お客様サポート(設定→お客様サポート)
このオプションを使用して、サポートへのお問い合わせ、見落とし広告のご報告(アシスタント経由での報告のほうが便利でお勧めですが)、AdGuardログのエクスポート、または機能のリクエストを行うことができます。
- AdGuardについて(設定→AdGuardについて)
アプリの現在バージョン、使い方の動画、AdGuardホームページなどのリンク、ライセンス管理画面があります。
以上です。
この記事で、iOS用AdGuardとAdGuard Proについてのご質問の答えが見つかれば嬉しい限りです。
まだお困りの点などございましたら、下のコメント蘭やAdGuardのSNSで遠慮なくご質問ください。
ユーザーの皆様からのフィードバックをいつも大変お楽しみにしています!