AdGuardの2021年を振り返って。
【目次】
おかげさまで、AdGuardの2021年も出来事いっぱいでいろんなことがありました。
この1年を皆さんと一緒に振り返ってみたく思います。
2021年のAdGuard主人公
AdGuard VPNは、おそらく年間最優秀AdGuard製品と言えます。
1月にリリースされたAdGuard VPN for Windows (アルファ版)をきっかけに、当社のAdGuard VPN全製品リリースが大連鎖しています。
アルファ版、ベータ版、そして待望の安定版と、次々とリリースされました!
この1年で、AdGuard VPNは、大きな進化を遂げ、市場での地位を獲得しました。
それを可能にしたのは何でしょうか?もう少し詳しく見てみましょう。
- ユニークなAdGuard VPNプロトコル
短く言いますと、スピードとセキュリティのどちらかを犠牲にする必要がないよう、私たちはAdGuard VPNプロトコルを独自開発したのです。
また、このプロトコルのおかげでAdGuard VPNとAdGuard広告ブロッカーという2つのアプリケーションを併用できるようにしました。
さらに、VPNの使用が検出される心配なく、VPN経由でインターネットを閲覧いただける対策にも繋がります。
より詳しくは、AdGuard VPNプロトコルの仕組みに関する詳細な記事をご確認いただけます。
- 除外リスト(VPN対象外リスト)
AdGuard VPNには、VPN経由で接続するとしないサイトを設定できる「VPN対象リスト」機能があります。
この機能には、「これらのサイトはVPN経由ではなく普通に訪問したい」(レギュラーモード)と「これらのサイトだけ、VPN経由で訪問したい」(指定モード)という2つのモードがあります。
AdGuard VPNの良さは、この記事でご確認いただけます。
でも待ってください、大事なお知らせあります!
来年、AdGuard VPNは、完全な再設計などを含む、本当にビッグなアップデートを予定しておりますのでお楽しみにしてください。
まだお持ちでない場合、お使いのデバイス用アプリをダウンロードして、ぜひ大アップデートをいち早くご利用になってください。
ちょっとしたAdGuardマジック
私たちは、AndroidとiOS、WindowsとMac用のAdGuard広告ブロッカーアプリを改善するために、あらゆる種類のバグ修正、重要な機能の追加、そしていつものようにCoreLibs(AdGuard独自のフィルタリングエンジン)とDNSLibsのアップデートを、今年一年懸命に取り組んできました。
それぞれの製品に重要なアップデートがありました。
AdGuard for Windowsは、今年3回アップデートがありました。
最も顕著な変更点:利用可能なDNS設定の拡張、AdGuard VPNとの互換性の実装、「ブラウジングセキュリティ」モジュールの改善を行いました。
もちろん、最大の変更点は、来年リリースされるバージョン8.0に登場します。
AdGuard for Macの大きな変更は、すべて年末に起こりました。
現在ではすべての主要なAdGuard製品に搭載されている、非常に人気の高いDNSフィルタリング機能と、Apple Siliconのネイティブサポートがついに追加されました。
ブラウジング・セキュリティ機能も、Windows版と同様の変更が加えられました。
今年はAdGuard for Androidアプリにとって非常に忙しい年でしたが、ほとんどの作業は"舞台裏"で行われており、その成果はバージョン4.0で間もなく見ることができます。
今年は、Android 12の互換性サポート、すでにお馴染みのブラウジング・セキュリティ機能の改善、そしてその他多くの変更を導入しました。
AdGuard for iOSは、あらゆる理由で、一年中注目を浴びてきました。
しかし、良いニュースもありました。
ネイティブDNSサポート、ローレベル設定、そしてまったく新しいiOS 15用「高度な保護機能」モジュールが追加されました。
これは非常に重要なトピックであり、以下で別途説明いたします。
Safari広告、バイバイ
2021年春、iOS端末でYouTube広告がブロックされないという苦情が大量に寄せられました。
重要なのは、その苦情がSafariでYouTubeを見ることに特化したものだったことです。
結論から言うと、YouTubeは当時、ログインしているユーザーに広告を表示する新しいアルゴリズムを使い始め、通常の動画とほぼ同じように広告動画を読み込むようになったのです。
そして、それが広告ブロックの品質に悪影響を及ぼしていたのです。
もちろん、すぐに対策の検証に取り掛かりました。
1つ目の対策は、率直に言って失敗でしたが、まったくないよりはましでした。
2つ目は、SafariでYouTubeの広告をブロックするショートカットという、とても素晴らしいものだったのです。
その後、事態はさらに奇妙な展開を見せ始めました。
6月、AppleがiOSデバイスの「Safari Browser Extensions」(Safariブラウザ拡張機能)のサポートを追加する予定であることがわかりました。
私たちはこのニュースに興奮し、これまで不可能だった、より高度な広告フィルタリングルールをAdGuard for iOSに実装できる日を待ちきれなくなったのです。
そして今、ついにApp Storeのバージョン4.3(わずか1週間前の12月24日にリリースされました)で、新しい「高度な保護機能」モジュールを公開しました。
い使いのiPhone/iPadで「高度な保護機能」を有効する方法、そしてそれがどれだけのメリットをもたらすかについては、こちらの記事をご確認ください。
終わりは近い
マヤ人が予言したもの、パンデミックの始まりなど、私たちはすでにいくつかの終末を乗り越えてきましたが、もう一つ、GoogleによるManifest V3のリリースが近づいています。
2022年1月には、まだManifest V2を使用している拡張機能をChromeウェブストアに新しく追加することができなくなります。
そして2023年1月以降、Manifest V2を使用する拡張機能は、たとえ以前にストアに追加されていたとしても、機能しなくなります。
マニフェストV3とは何か、なぜ悪いのか?
一言で言えば、Manifest V3はChromeの新しい拡張機能APIの名前で、公式ソースによれば、「拡張機能をより安全に、より生産的にする」ために作られたものだそうです。実際、あなたが今知っているほぼすべてのブラウザ拡張機能は、何らかの形で影響を受けます。ラッキーな拡張機能は特定の問題を経験するだけで済みますが、他の拡張機能は機能制限されるなど、ひどく動作が混乱され、一部は文字通り存在しなくなるでしょう。
Google Chromeにも拡張機能にもお別れを言いたくない人はどうすればいいのでしょうか?
AdGuard for Chromeの特別なベータ版をダウンロードすることはできますが、2023年1月以降、Chromiumベースのブラウザーのユーザーにとっては使えなくなります。
しかし、マニフェストV3に準拠した新しいAdGuard拡張機能をリリースすることは期待できます。
確かに広告ブロックの質は落ちますが、劇的に落ちるわけではありません。
私たちは、これまでと同様、インターネットをできる限りクリーンかつ快適にするために最善を尽くします。
Chrome版AdGuard拡張機能のすべての利点は、他のブラウザのユーザーなら引き続き利用できることは良いニュースです。
また、AdGuardのデスクトップ版またはモバイルアプリ版を使用している場合、Manifest v3のことは全く関係なく、何も心配することはありません。
AdGuard Homeの新バージョン
ちょうど1週間ほど前にAdGuard Home v0.107を紹介しました。
このアップデートは、非常に地味なバージョン番号にもかかわらず、本当にホットなものでした。
合計で8ヶ月間、このリリースに取り組んできたのです!
AdGuard Homeでは多くのことが大きく変わりましたが、すべてを理解するにはかなりの技術的知識が必要であることを心に留めておいてください。
v0.107の情報はすべてGitHubで公開されていますので、詳細はそちらでご確認ください。
M1チップを搭載したMacでAdGuard HomeをセットアップするためにRosettaやその他の類似のソリューションを使用する必要がなくなったということを改めて強調したく思います。
Apple Siliconのネイティブサポートも実装しました。
AdGuard DNSのリニューアル
私たちはAdGuard DNSを愛し、その功績を懐かしく観察しています。
AdGuard DNSは2016年から大きく成長しました。
現在、世界中に14本のサーバー拠点を持ち、毎月5000億以上のDNSリクエストを処理し、最先端のDNS-over-QUICプロトコル(AdGuardは世界でも非常に少数のリゾルバーの1つです)をサポートしています。
また、European Resolver Policy (ERP)をいち早く採用しています。
さらに、新たな一歩を踏み出そうとしています。
まもなく、あなた自身のAdGuard DNSサーバーを作成することができるようになります。
そして、完全にあなたのものなので、好きなように設定することができます。
ドメインのブロックとブロック解除、ブロックリストの追加、リクエストの統計情報の表示、アダルトコンテンツへのアクセス制限などなど。
来年の初めに新しいサービスを開始しますので、AdGuard DNSのウェブサイトでメールアドレスを登録して、最新情報と公開通知を受け取ることができます。
今のところ、プライベートAdGuard DNSのインターフェイスのスクリーンショットをチェックすることができます。
なぜ、わざわざAdGuard DNSを開発し、ローンチすることしたのでしょうか?
私たちの最大の夢は、邪魔な広告やトラッカーのない、「より良いインターネット」へのアクセスをユーザーに提供する、ブラウザウィンドウに制限されない完璧な広告ブロッカーを作成することです。
そして、AdGuard DNSは、その目標に多少なりとも近づいています。
まだDNSが何なのか分からないですか?
問題ありません。AdGuardの共同創設者兼CTOであるAndrey Meshkovは、Ad Blocker Dev Summit 2021で、DNSフィルタリングとは何か、DNSを使用して広告をブロックする方法について説明しました。
彼の発表の動画はYouTubeに掲載されていて、テキスト版は当ブログに掲載されています。
コンテンツにも力を入れました
今年は、AdGuard製品に直接関係のないブログ記事にも力を入れました。
オンライン・プライバシーの問題や業界ニュースについて多く書きました。
そして、皆様に常に最新情報をお届けするために、定期的なニュースダイジェストを復活させました!
私たちは偏見を持っているかもしれませんが、この1年間にAdGuardブログに掲載された記事はすべて良いものだと心から思っています。
しかし、中でも特に注目したいものがあります。
業界ニュース集
-
AdGuardは、Zoom広告をブロックし、Zoomの人気をサポートします。Zoomは、ベーシック(つまり無料版)ユーザーを対象に試験的に広告プログラムを展開しました。パンデミックを通じて世の中を大きく助け、2020年には空前の売上を記録した会社として、この決定は完全に間違っているとAdGuardは考えており、本当に残念に思っています。AdGuardの立場について記事を読んでみてください。
-
タダより怖いものはない:Android用VPNの3社の2100万人ユーザーデータが流出。年明け早々、2100万人のユーザーの認証情報が入ったデータベースが、人気のハッカーフォーラムで販売されました。データは、SuperVPN、GeckoVPN、ChatVPNという3つのAndroid向けVPNサービスから盗まれたものです。何が起こったのか、なぜこのような漏洩が危険なのかを考えてみました。
-
買った端末は他人に悪用される。スマートTVがスマートすぎる時。スマートTVは、昔ながらの普通のTVの厳密な改良版であるはずです。しかし、状況はそれほど単純ではない。「スマート」は必ず「良い」というわけではありません。
-
【Facebook】なぜテック大手が大統領選びを“手助け”するのか。ソーシャルメディアのアルゴリズムは、見るべき番組から投票すべき人に至るまで、あなたの選択の多くに影響を与えている。そして、SNSらが具体的にどのように、誰の利益のためにそれを行っているかは不明です。意思の自由を守るために、あなたは何ができるでしょうか?
オンラインプライバシー集
-
データが重要な理由:AdGuardのマニフェスト。誰もが何度も何度も言うでしょう。"あなたの個人情報はとても重要です!" しかし、具体的な理由は何でしょうか?この質問にきっぱりと答えます!
-
【個人情報保護】デジタル衛生管理の基礎ルール13本。ユーザーの個人情報保護を核とする企業として、他の企業やハッカーがこのデータを大規模に収集し、販売したり、他の不正な目的のために悪用したりするというニュースを読んで安心することはできません。そこで、オンライン上のプライバシーを保護するためのチェックリストのようなものを作りました。ぜひご活用ください。
-
テック大手、新「ホモモルフィック暗号化」を導入。ユーザーセキュリティの新時代か、またごまかしなのか。テック大手が再びユーザーのプライバシーを侵害している。広告ターゲティングの新時代が到来。Alphabet、Facebook、Microsoft、IBMなどの企業が新しい暗号化技術をテストしています。これはなぜ、ユーザーにとって何を意味しているのでしょうか?
サンタさん、私たちは今年いい子にしていましたよ。
製品の開発だけでなく、公共の利益についても考えました。
例えば、私たちはAdGuard URL追跡防止フィルターを作成し、悪名高いGoogle FLoCを含む、最も一般的なトラッキングパラメータをすべて対処しています。
AdGuard製品では、このフィルターはすでに「ステルスモード」機能に組み込まれているのですが、フィルターを直接使ってトラッキングパラメータを削除することもできます。
詳しくは、この記事をご覧ください。
また、隠れたCNAMEトラッカーを探しだすために大暴れし、独自のDNSサービスやブラウザの独立したコンテンツブロックツールのおかげで、これらのトラッカーを発見し、ブロックすることができたのです。
その後、既知のすべてのCNAMEトラッカーの完全なリストを作成しました。
これらのトラッカー対策は、「AdGuard追跡保護フィルター」にも含まれています。
詳しくはこちらの記事でご確認いただけます。
最後に
今年は大変な年でしたが、全体的には前年よりは穏やかな年でした。
多くの素晴らしい成果と、それと同じくらい多くの課題をもたらしてくれました。
そして、その経験に感謝し、この365日ずっと私たちのそばにいてくれた皆様に心より感謝しています。
アプリや拡張機能のユーザー、そしてAdGuard製品に貴重な貢献をしてくださっているボランティアの皆様に大変お世話になりました。
どうかお大事になさってください。
私たちAdGuardはあなたオンライン・セーフティとコンフォートを守り続けます。
2022年もどうぞよろしくお願いいたします。